貴妃湯
1988年7月3日付けの朝日新聞に「楊貴妃のお風呂が発掘された!」という記事が掲載されました。 発掘された場所は、中国の古都西安市の東約30キロメートルに位置する華清池です。唐の詩人白楽天の「長恨歌」は、玄宗皇帝と楊貴妃の睦みあう姿を
  
  春寒くして浴を賜う華清の池
  温泉水滑らかして凝脂を洗う
  侍児扶け起こすも嬌として力無し
  始めて是新たに恩沢を承くる時

とつづりました。
現在は秦の始皇帝の兵馬俑博物館も近く、観光地として賑わっています。 玄宗皇帝と楊貴妃は毎年10月になると長安から大行列を連ねてこの華清池にやってきました。玄宗皇帝と楊貴妃の最初の出会いの場でもあり、楊貴妃が温泉のあるこの華清池が大好きであったからです。

華清池には離宮が築かれ、玄宗皇帝は毎年一ヶ月間、華清池で執務をとったといわれています。昔から「華清池には楊貴妃専用の浴室があり、その浴槽は花弁を形どったものだ」と言い伝えられていましたが、 言い伝えどおり発掘された浴槽は唐の時代のものであり、浴槽を構成しているたくさんの石のひとつに「楊」の文字が刻まれていました。しかも伝承どおりに花弁の形をしていたので、楊貴妃が愛用入浴した風呂であることが確認されたのです。
発掘された風呂は青い切り石が花びら形に2段に組まれており、東西約3.6メートル、南北約3.9メートル、深さ約1.2メートルで、底からは噴水となって湯が涌き出る仕組みとなっています。2ヶ所には階段があり、ここから出入りしたと思われます。この貴妃湯跡の他、5つの浴槽が発掘され、当時の皇帝の強大な権力がしのばれます。
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